伊藤さんの死を悼む

アフガンでNPO法人ペシャワール会の伊藤さんが誘拐され、微かな望みを抱いていたが、脆くも
破れ死体で発見された。人道支援の一環としての農業指導という国際貢献事業に従事していた伊藤
さんだったが、タリバン側はアメリカに協力するものは日本人といえども斟酌しないと声明を発し
ている。伊藤さんにとっては大変不幸な出来事だった。ご家族の悲しみは察して余りある。

いま世界で起きている紛争は西側から見ればゲリラであり犯罪組織に見えるが、彼らに言わせれば
西側こそ侵略者なのだ。こうした行き違いをどう解決するのか人類の知恵の出しどころだ。
アメリカのよる力での抑圧は効かなくなっている。ベトナムで経験したように紛争地域に土足で踏み
込んでもよい結果は出ない。殊に中東では石油の利権が絡み複雑になっている。
西側の若者がどんどん死んでいる。死を恐れぬ彼らイスラム教徒と争う無謀さをそろそろ思い知るべ
きである。